VOICE FOR SAFE AND SOUND〜HIMURO com.〜(2009.4〜5月配信)


注)これはHIMURO com.公開の音声を書き起こししたものです。
この要約はKING SWINGNo.33にも掲載されています。
#1 プロローグ

え〜、どうもこんにちは、氷室です。
え〜、もうね、あの前回の21th ANNIVERSARYのツアーツアーが終わってから、もう早いもので半年くらい経とうとしていますが、
みなさん、お元気でしょうか?
俺の方はっすねえ、この季節、いつも、あの〜うちのある場所ってのがビバリーヒルズでもマルホランドの結構山の上の方にあるんでね、
この季節になると、毎年毎年花粉症でひっどい思いをするんですよ。
で、今も、もうぐじゅぐじゅな状態を薬で結構、あの〜、しゃべれるような感じのコンディションになっているんですけど、
もう涙は止まらないわ、花はぐじゅぐじゅだわね、頭はガンガンするわ、まあひどい状況の中で、状態の中でかろうじて生きています。
え〜、日本でもね、たぶんこの季節はみんな花粉症ですごく大変な思いをしている人も多いと思いますが、がんばってください。

え〜、今日はですねえ、あの〜前号のKing Swingで田家さんの方から、え〜、レポートしてくれているんで、まあだいぶみんな知っている、当然知っていると思いますが、え〜マイ・ケミカル・ロマンスのジェラルド・ウェイと今回、「Safe And Sound」っていう、え〜、新しい曲を彼に書き下ろしてもらってコラボしたんですが、まあそのあたりの細かい事情を、え〜、まあ本人の口からね、このところず〜っと、あの、みんなに報告してなかったんで、今日は、え〜、自分の口でちょっと、あの、みんなに聞いてほしいなということで、こうして録音しています。


#2 始まり

え〜、まずジェラルドと俺との、その〜、カップリングっていうのが、かなり意外なカップリングだと思うので、なぜ、こう、どんな経緯からこういうプロジェクトが始まったかと不思議に思っている人も多いかと思うので、そのあたりをちょっと説明しておきたいなと思います。
え〜、まあ、これ、説明してしまうとね、それほどドラマティックなことでもないので、なんだぁ〜って思っちゃうところもあるんですけど、
まあ、これ、すごく偶然で、あの〜、うちの会社の弁護士をやってもらっている人間と、それからジェラルドの方の、え〜、バンドの弁護士とがたまたま、その〜close 友達だったんですよ。
で〜、まあ、あの〜俺がうちの会社の弁護士とちょっと話をしているときに、まあ世間話のレベルで、で〜最近そんなバンドが好きかっていう話の中で、マイ・ケミカル・ロマンスが好きだと。
そしたら、あの〜、むこうのマネージャーと友達だということなんで、で〜、じゃあ、あの〜、もし可能であれば、あの〜、マイ・ケミカル・ロマンスとコンタクトとって、あの〜何かコラボでもできないかなっと、ほとんど did't expect anything っていうか、全然その期待もなしにダメ元でただ言っただけっていうね、あの〜レベルで彼にお願いしたところ、それから2週間ぐらいかなあ〜、もうあっという間にジェラルド本人がうちに遊びに来るって言うのね。
で、最初はですね、あの〜それこそ俺からしてみれば、あの〜、ジェラルドウェイっていうのは世界ランカーなわけで、日本でも、その、「THE BLACK PARADE」が50万位売れているんでしょ?
なんか世界中で、やっぱりヒットしている世界のロックスターなわけですよ。
で、その本人がうちに来るっていうのはあまりにも、その、ちょっと現実味に欠ける話だなあと思って、よく言うよっ!っと思ってたのね。
そしたらですね、あの〜、本当に約束していた日に、あの〜、本人と、あの〜、マネージャー1人と、あの〜、もうめちゃくちゃラフな感じで遊びに来てくれまして。で、その当時っていうのはですね〜、え〜、もうすっごく前なんですけど、その、20周年の、その、21th ANNIVERSARY用の、え〜、ベスト盤を作るのに「LOVER'S DAY」とか、それから、あの〜、ボーナストラックの、え〜、曲たちを何曲か、こう、録りたいなと思っていた時期だったんですよ、ちょうど。
で〜、あの〜、まあ、もし、志向としてはね、あの、可能であれば、「SUMMER GAME」みたいな、まあ言ってみれば、その〜、今の若い連中が、今のビートで、その〜、録り直しても、ある程度、様になりそうな、まあ、そいういう俺の、いわゆるビートの曲を、その、マイ・ケミカル・ロマンスに演奏してもらって、で〜、その〜、コーラスのパートでまた俺とジェラルドがいっしょに歌ったりっていう、そういうようなコラボレーションっていうのはありなのかなあっていうのを聞いてみたらね、そしたら、あの〜、ジェラルド的には、あの〜、まあ、彼はすごく日本のことを、あの、贔屓にしている人なので、あの〜、いっしょにやることはかまわないと。
ただ、その〜、俺がかつてやった往年の曲をまたリミックスというか、リテイクという形でやるよりは、どうせだったら、新しい曲を、あの〜、2人で作ってやらないか?っていうことに落ち着いたのね、話が。
で、まあ、その内容としては、まずジェラルドがまあ曲を書くと。
で〜、それはなぜかと言うと、あの〜、彼は日本語で歌が歌ってみたいっていうことが1つあったらしいのよ。
で〜彼が曲を書き、俺がその〜曲に対して詞を書くないり、まあいつも俺がね、依頼している、その、作詞家に依頼して、まあ、2人が歌っておかしくないようなシチュエーションの日本語を作ってもらて、それを2人で歌うという形でね。
あの〜、とりあえずはまあ、1回目に会ったときに、まあ、じゃあそんなことをやろうよという形で、その日は別れたのね。
で、それがね、なぜ、こう最終的に英語で歌うことになったかという経緯なんですけど、あの〜、2週間後くらいに、その〜、最初に会って、もう2週間後くらいには、彼は曲ができたからってうちにまた連絡がきて、また今度は、1人で来てくれたのね。
自分でアコースティックギターとエレキギターを持って。
で〜、え〜、彼がソングマップみたいなものを、まあ自分でコンピューターでタイピングしたものを持ってきてくれ。
で〜、それを見ると、あの〜、構成が、曲の構成が書いてあって、もうすでに歌詞が全部書いてあるのよ、そこに。
で〜、どんな曲なのか、じゃあ、今からやってみせるからって、俺が、あの〜、その日は俺はどんな曲だかも知らないし、あの、エンジニアに徹して、俺のプライベートスタジオで、あの〜、俺がマイクをセッティングして、コンプのバランスなんかも俺が決めて、で〜、まあ、ホント、アマチュアバンドみたいでそれが。その日、楽しかったけどね。
あの〜、一番最初ジェラルドとセッションした、その〜、瞬間だったんで、結構楽しかったけど。
で〜、歌い始めたら、その歌の歌詞も、その歌詞を読んでもすごくきちっと意味が通っているし、完成されてんのね。
で、その、歌った感じっていうのも、いわゆる、今、そのみんなが聴いている最終的なテイクのままなのよ。
ブリッジセクションっていうのは実は、その〜、当初はなくてレコーディングの、その3日間の中で新しくできたセクションなんで、そこの部分はなかったけれども、もうほとんど完成しているのね、曲として。
で、それを聴いた時に、これを日本語で歌うのは、ちょっと、もったいねえぞ!っと思っちゃったのね。
ていうのは、あの〜、俺の中では、あの〜、例えば、長さが限られているメロディの中で、えっと〜、英語のセンテンスでこう語っていくっていうのは限りなく日本語のセンテンスで説明していく、その、なんて言うのかな、表現の仕方としてね、あの〜、英語の方が3倍くらいの情報量を詰め込めるのよ。
で、ジェラルドがせっかく書いてくれた、あの、内容のあるね、あの〜、結構ディープな歌詞を日本語に直そうとすると、かなり違ったニュアンスになってしまうと。
で、それをまた、俺はまあ日本人だからそれなりにきっと、その〜、日本語として歌うのは問題ないだろうけど、ジェラルドがそれを歌った時に、彼の、その〜、せっかくの歌唱力だとか表現力だとか、そういうものが、あの〜、妙に変な形で伝わっちゃうのはすごくもったいないなと、やっぱ思っちゃったのね。
っていうのは、ほら、いろいろな人たちがさ〜、あの〜、過去にも大スターと言われる、例えば、クイーン(Queen)だとかポリス(The Police)だとかが、、「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ(De Do Do Do,De Da Da Da」とか、それから、「キラークイーン(Killer Queen)」みたいな、クイーンはキラークイーンじゃなかったか、ま、よく覚えてないけど、日本語で歌ったりするじゃない?ボーナストラックで。
それって、やっぱ、俺的にはかなり、かなり、やっぱり、普通の聴こえ方はしないじゃない?
で、その人たちは、ものすごく歌がうまい人たちなのに、歌がうまくも聴こえなかったりするっていうかさ〜。
それがジェラルド・ウェイですって言って、せっかくね、日本でね、自分の、俺からしてみればさ〜、あの〜偶然だとは言え、すごく素敵な友人なわけじゃない?
その友達を日本の自分の、あの〜、愛すべきオーディエンスにね、紹介する時に、あの〜、ちょっと、あの〜、ファンキーな感じで取られたくはないっていうのもあったりして。
まあ、これは、こんなぶっちゃけたことを言っていいのかわからないけど。
で、ジェラルドに、できればその英語の歌詞、こんなにいい歌詞ができているんだったら、このまま行かせてくれないかなっていうのを言ったのね。
で、彼の中では、最初は、その、あの〜、まあ、英語でやるとは思っていなかったっていうところで、あの〜、それでいいのかなっていうのをかなり躊躇してたみたいなんだけど、まあ、最終的にはね、あの形でいいだろうっていうことで、2人で合意して、まあ、あの形になったんだけど。


#3 ジェラルドの歌詞

で〜、ここで、あの〜、俺がなぜジェラルドの歌詞が好きかっていうのを言っておいた方がいいのかもね。
で、歌詞もそうだし、なぜマイ・ケミカル・ロマンスのスタンスっていうかあ立ち位置が好きかっていうのをね。
あの〜、ジェラルドの詞っていうのは俺の中でね、俺的な勝手な解釈だけど、すごく二元論じゃないけど、あの〜、両極端な相反する2つのファクターがいつもあるような気がすんのよ、俺的にはね。
そのすごくネガティブな要素とポジティブな要素と。
で〜、すごく、あの〜、光と影じゃないけど、すごくオプミスティックな面があったり、そうかと思えば、すごくペシミスティックな面があったり、あとは〜、なんつったらいいのかなあ〜、すごくスイートなんだけどビターだったり、あの〜、ていうのがあんのね。
で〜、彼のその〜、2つの両極端の、あの〜、対比するファクターが、彼のそのねじ曲がった、勝手に、勝手にっていうかね、他人(ひと)のことをねじ曲がったって、かなり失礼だけど、その〜パンクテイストによって、こう〜融合された時に、やっぱりスペシャルなものになってるのね、彼独特の。
で〜、マイケミのことを詳しい人はよく知っていると思うけど、例えば「I'm not OK」って曲があってさ〜、「I'm not OK」っていう曲のビデオの前に、その〜、なんて言うのかなあ、ああいうのなんて言うの?曲が始まる前にちょっとアクティングの部分があって、ギターのデーっていうやつがジェラルドにFacent it,you never make itって言うのね。
で、それっていうのは、いい加減で現実を見ろよ、おまえ、できねえよ、っていう意味なんだけど、そうするとジェラルドがI don't make it. って言うのね。
それって、え〜わかってるよ、別にやりたかねえもんっていう感じのニュアンスなんだけど、でさ〜「I'm not OK」っていう曲なのね。
で、もしも、あれがね、あの〜、「I'm OK」っていう前向きな歌だったとしたら、あの〜、明日を夢みて頑張ろうよ、みたいな。
そういうのだったら、俺、たぶん嫌いだと思うのよ。
でも、やっぱり、I'm not OKなのよ。
で、俺もI'm not OKなのね。
で、You're not OK , I'm not OK,that's OKっていう さ〜あの〜、最近読んだ本で好きなセンテンスがあるんだけど、
まあ世の中そうだよ、globe the universe っていうか、まあ、それ、あれだよね、宇宙のもう神秘だよね。
その〜、パンクテイストっていうかさ〜、そこの、まあ、みんなOKじゃねえよ、っていうさ〜、OKじゃないんだけど〜、そこでじゃあ、何をやるかっていうかね、まあうまく説明できないけど、まあ、とにかく〜、すごくあの〜、なんていうかなあ〜、インテリパンク的なとこがあんのよ、ジェラルドの歌詞って。まあ、そこが好きなとこなんだけど。
まあ、話がだいぶ、全然横道にそれましたが、今回のそのね、Safe And Soundに関しても、ジェラルドのテイスト、その〜、ネガティブな、ポジティブな、オプミスティックに感じる面とぺスミスティックに感じる面とすごく、あの、バランスが面白かったりとかねしたんで絶対使いたいなってことで、あの形になりました。
で、ブリッジセクションはさっき言ったように、あの〜最初はついてなかったんだけど、そのブリッジセクションがねえ、あの〜、ついたことで、ますますちょっと毒気が増して俺からするとかなり危険なブリッジセクションなんだけど、まあ、あのブリッジセクションがのったことで、またより一層、その〜ジェラルドっぽいっていうかね、あの〜その〜危なげが増してかっこいい曲になったんじゃないのかなと思ってます。


#4 レコーディング1

え〜、実際のレコーディングの作業なんだけど、前回の、え〜、King Swingで田家さんの方から報告してくれているように、サンセットスタジオっていう、いわゆる、その〜、伝統を誇る、え〜、古くからあるね、ドアーズとかが昔使っていたスタジオで録りました。
で〜、まあ、やっぱね、あの〜、超有名な老舗と言われるようなスタジオなだけあって、その〜、置いてあるタクの音とか、それから、え〜、マイクロフォンとかね、あの〜、普段俺が使っているUFT7(?)と同じ型のものがあるんだけど、やっぱ、ヴィンテージのものだから、個体差があるじゃない? もう全然鳴り方が違ったりして、あの〜、やっぱ、いいスタジオに置いてある機材っていうのは、全然違うんだなと。自分のところの、その〜、スタジオに置いてあるものと比べると、ちょっと、あの〜、しょんぼりしちゃうようなね。あの〜、かなりカルチャーショックを受けました。
え〜、実際進み方としては、え〜、かなりこれも特殊なね、あの〜、異質な進み方で、え〜、プロデューサーとして立ってくれたグレッグっていうやつが、あの〜、ちょうどMIKAっていうバンドの、まあミカも日本で今すごく売れているみたいだけど、ミカのレコーディングだったのね。で〜、その合間を縫ってのこちらあの作業ってことで、夕方6時から、まあ通常そういうスタイルはあまりとらないんですけど、最近は。夕方6時から夜の12時まで、1日6時間っていう限られた時間の中で、まあ3日間。だから3×6=18(さぶろくじゅうはち)、18時間の中で、え〜、ドラム録り、だからリズム録りからダビングから歌入れからミクサーまでと。かなりタイトなね、進み方で、え〜、決着をつけてます
で〜まあ時間がない分ね、あの〜、逆にインピロビゼーション的に、何て言うのかなあ、きっちりとね、こう、考えながら進んでいくだけの余裕がなかっただけに逆におもしろいものに仕上がったかなっというのもありますけど。
で、まあ、その〜、それこそ限られた時間の中でうまく、こう、最後までね、ゴールまでたどり着けたのは、これはジェラルドのアイデアマンとしての推進力によるところがすごく大きくて、それはすごくジェラルドに感謝してますね。
彼の、何て言うのかなあ、アレンジメントに関する、あの〜、アビリティのすごさっていうのは、もう、これはねえ、これもホントにこんなアイデアマン見たことがないなと言うくらい、次から次へとアイデアが出てくるし、俺なんかは、その〜、何て言うのかな、その〜、経験の、自分の経験の中で、例えばそのコードの中で、この音はちょっと、その、テンションきつすぎて、ちょっと、あの〜、聴いたら聴き苦しいんじゃないのかなって、自分の頭の中でね、シュミレーションして否定していってしまうことが多いのね。
彼の、その〜、感覚っていうのは、その〜、あまり、その、音楽的な理論とか理屈にとらわれていなくて、ホントにものすごく感覚的なのね、で、まあ、その〜、何て言うのかな、あの〜、フレキシブルさっていうか、それがもう、うらやましかったですね。
で〜、あの〜、クレジットには、え〜、いちおうグレッグが、これは、ま、こちらの、アメリカでレコーディングする時は結構、あの〜、いつもそうなんですけど、最初にまず契約から入ることが多いんですよ。日本とそのあたりは違うのね。
で、グレッグがプロデューサーとしてまず立つ時に、グレッグは、もう、契約の中で自分の表記は必ず、あの、プロデューサーとして表記しろと、まあいろんな条件がある中で、それが、その表記の条件が入ってたんで、表記はグレッグがプロデューサーで、ジェラルドと俺が副プロデューサーという形で表記されているけど、まあ、これは、ここだけの話、客観的なね、報告としては、俺的にはジェラルドがプロデューサーだったと思うなあ。
ジェラルドのほとんどアイデアによるところが多くて、俺が実際、その、アイデアを出したのは、あの〜、Bセクションで、プリコーラスセクションで出てくる、その、ギターが、あの、カウンターで、こうボーカルにあたっていくフレーズくらいなもので、あとはほとんどジェラルドが具体的にね、あの、こんなフレーズで、え〜、やりたいと言っていることを逆に俺とグレッグは、あの〜、あまりにもどんどん、こう、アイデアが出てくるんで、その〜、変な言い方だけど、ジェラルドがその凸凹(でこぼこ)のね、あの〜、凹凸(おうとつ)の、え〜、ものに例えるとすれば、ジェラルドが凸(でこ)の、その〜、出っ張っているプロデュースだとしたら、俺らはどちらかっていうと凹(ぼこ)の受け口のプロデュースに回ってく副をやっていたっていうかね、副プロデュースに回っていたっていうかね。そんな形で3日間ずぅ〜っと、それは一貫してそういう形で進んでましたね。
だから逆に俺からすると、あの〜、すごく彼の、そのアビリティに大感謝ってさっきも言いましたけど、コラボレーションという形で、できる限り彼の、その〜、あの〜、持ち味っていうかテイストを、その〜、作品の中に、こう、注ぎ込みたかったという意味では120%以上の出来なんじゃないかな。


#5 レコーディング2

特に、あの〜、レコーディング中で、あの、おもしろかったのは、え〜、今回初めてね、あの〜、クリックを使わずにオケを取っているんですよ。で〜、それっていうのは、あの〜、俺は結構キャリア長いんだけど、初めての経験なのね。
で〜、最初は、あの〜、ソングマップみたいなものがあって、テンポ164くらいから、まあ始めて、で〜、あの〜、リズム取りが始まったんですけど、やっぱジェラルドは、ほらバンドの人じゃない?で、ふだんマイ・ケミカル・ロマンスで、その〜、オケを取るときはやっぱりクリックを使っているんらしいんだけど、どうしても、ほら、こういうプロジェクトだといつものバンドのメンバーじゃなくてスタジオミュージシャンが来るわけだよね、有名な。
で〜、あの〜、そのスタジオミュージシャンが来てクリックが入っていると、やっぱね、あの、ジェラルド的にはうねりが、あの〜、どうもいまひとつ、その〜、なんていうのかな、あの〜、自分が頭に描いているグルーヴとは違うっていう。
それね、すごくメイクセンスでいつも俺も同じことを思うのよ。
で〜、俺は、その〜、バンド時代に、あの〜BOΦWYの頃ね、必ずクリック有りきのバンドだったのね。
で、BOΦWYっていうのは、もともと、その〜、クリックに対してそれぞれが、こう、どう絡むかによって、その〜、スピード感だとか、そういうものをどう表現していくかっていうのが、まあそれが美意識であったりしたバンドなんで、まあその中でもまれているせいもあってね、ソロになってからもずぅ〜っと、まあ、当たり前のようにクリックが有りき。それがもう1本の柱としてあって、そこに対してどう、こう絡んでいくかも当たり前の解釈になっていたんだけど。
今回、その〜、ジェラルドのアイデアでクリックなしでやろうと、途中から。で〜、最初、どんなことになるのかなっと、ま、興味津々だったんだけど、実際、その〜、ジェラルドがスクラッチボーカルを、まあ彼の曲だということで彼が歌ってくれて、それに対して、ま、ドラムがジョッシュだったせいもあんのかなあ。まあ、ナイン・インチ・ネイルズのドラムだからね。もともとクリックなんかなくても限りなく、その〜、タイトなリズムを、安定したリズムを、こう、刻んでいくことができるドラマーなんで、そのせいで成功したのかもしれないけど。
とにかく、あの〜、その、最初にジェラルドがスクラッチボーカルを歌って、え〜、ジョッシュがドラムを叩き、それからダンがベースを弾いて、で、キムフェイスがもうタイフスの本当に、あの〜基本的な、あの、コードをニュートのコードをボンボン弾いている状態で限りなく、その〜、スリリングなドライヴ感のあるオケが出来上がってたんで。
逆に、だからね、オケがすごくドライヴしているのに、自分はそういうものに対して歌ったことがないわけじゃない?
だからそれに自分の歌が、こう、絡んでいけるのかどうなのかがすっごく不安でね。で〜、よけいに、こう、家に帰ってからも、その、テンションバツバツになっていたところもあるんだけど。
ま、実際はね、あの〜、そのオケに歌ってみたら、ま〜、その〜、仕上がったものを他人が聴いて客観的にね、どう感じるかは別にして、その〜、歌入れがたったの3時間で、え〜、終わらなきゃいけないってところで、でも3時間で終わったっていうのは、やっぱり歌っていて気持ち良かったよね。
その〜、自然な揺らぎの中で、その〜、自分のポイントを探して、で、今回その〜、俺的にはね、あの〜、おもしろい、その〜、Safe And Soundが俺とそのジェラルドの、そのパフォーマンスの違いっていうのがものすごく出てて、それが逆にすごくおもしろいんだけど、俺的にはね、あの〜、俺のパートはきちっと俺のそのビートになっているわけよ。
で、ジェラルドのパートは急にその、マイ・ケミカル・ロマンスのグルーヴみたいになるわけね。
で〜、その〜、何て言うの、その違いが、あの〜、狙ってできるもんじゃないと思うんだよね、それね。
で〜一番そうなりたいなと思っていたスタイルには結局、そこに着地、まあラッキーなことに出来ているんで、そこを考えると、このインピコピゼーション的に進んだ、たったの18時間のセッションは、かなり大成功だと言えるよね。


#6 Music Video

え〜、実は10日ほど前に、え〜、その、「Safe And Sound」に関する、え〜、ビデオのシューティングを、え〜、LAから2時間半、約2時間半の、え〜、desert 砂漠に行って、え〜、シューティングしてきたんですけど、あの、今回は監督はですね、あの〜、若手の、え〜、すごく注目されている、エリック・ホワイトっていう…。他にはベニー・ブームとか、それからジョセフ・カーンとか、あの、著名な人たちがたくさん、あの〜、候補で上がってたんですけど、まあこの曲に関しては、ものすごくhigh-keyでcontrastが強いようなものがたぶん似合うなと、俺がすごく思ったんで、ま、あえて、その〜、あえてエリック・ホワイト。あの〜5人ぐらいね、有名なディレクターをこちらのBeat Nix LAの優秀なスタッフが、5人ぐらいを、あの〜、この人たちだったら可能ですっていうね、候補を出してくれたんですけど、中からあえてエリック・ホワイトに撮ってもらいました。
で〜、その最初にプロットをもらった時に、あの〜、ものすごく1日では絶対に撮りきれないんじゃないのかなっていうような、結構内容の濃いね、あの〜、シーンなんかも結構多くて、結構大変だろうなと、まあ1日で撮り終わるのは。
で〜、まあ、ジェラルドが今、マイ・ケミカル・ロマンスのレコーディングの真っ最中なんで、そこを抜けての1日時間をくれるということだったんで、あの〜、どうしても1日で撮らなきゃってことで、かなりバタバタした、あの〜、シューティングでしたけど、まあ、それなりに、それなりにって言うか、すごく、あの〜、みんなね、効率よく、あの〜現場の人たちも、あの〜、協力して作業進めてくれて、かなり、その〜、1日で撮ったビデオにしては、クオリティの高いものに仕上がっていると思います。
え〜、後半ね、あの、ブリッジセクションあたりから、あの〜、雨が降ってくるんですけど、それが、あの、黒い、なんて言うのかな、Black Rain が降ってくるんですけど、そのあたりから、あの〜、こう〜、ぐ〜っと、こうbuild up していく感じってのがね、あの〜、我ながら、その〜、自分のビデオん中でも、あの〜、結構ドラマティックな感じで、え〜、おもしろい出来なんじゃないかなと。
実は明日(あした)も、え〜、スタジオに行って、その最終的なcovering みたいなことを、え〜、やります。


#7 プロジェクトを終えて

え〜、今回、この「Safe And Sound」のプロジェクトをやってみて、え〜、実際、あの〜、すごく大変な場面も多かったんですけど、まあ時間的な制約があったりね。それから〜、俺、もう9年間こっちに住んでいるけど、まだね、子供で例えたなら9歳なわけで、その〜、9歳の子供が、やっぱ、その〜、通訳も付けずに、その〜、現場の中でね、あの〜、どれだけのことができるかって言うと、その〜、プロデュースワークみたいなことに関しては、全く太刀打ちができないって言うのが、まあ正直なとこですね、悔しいけど。
1つ経験としてよかったのは、あの〜、いつまでも、その〜、何て言うのかな、あの〜、物おじしていても何も始まらないと。
とりあえず今飛び込んで1歩をこう踏み出したことによって、たぶん、あの〜、今回のプロジェクトでも、俺、たくさんの失敗をしていますけど、それが何て言うのかな、自分の中でね、1つ1つ knowledge として、経験として、え〜、知識として、え〜、残っては必ずいくはずなんで。
で〜、いいかげん、その〜、日本の、何て言うかな、日本でのキャリアだけを重視して、その〜、今まで20年間やってきたことと同じルーティンになってしまっていることを、ずーっと、こう、このまま続けていくっていうのも、正直言って辛いんですよ。
このあいだ、20周年のコンサートをやってみて、自分が持ちうる限りの、そのすべてを、あの〜、ことをみんなの前で披露して、1つ自分の中で決着はついているんですよね、それに関しては。
だから、あとは、え〜、俺がホントに、え〜、こっちでマイペースでやりたいことっていうのは、あの〜、ルーティーンを打ち破る、何て言うかな、あの、自分の中で本当に刺激を感じて、生きているっていう実感、それが仮に失敗した痛みでも何でもいいんだけどさ、あの〜。生きているっていう、その、痛みで実感を感じたいっていうのはあるよね。
で〜、かなり今回の、え〜、この企画自体も、あの〜、降って湧いたような企画で。
で〜、さしたる準備もせずに、その〜、それこそ、play it by ear で、成り行き任せに飛び込んでみて、何が起こるか。
で、その中でね、あの〜、自分の体で、こう、覚えたね、いろいろなことを。あの〜、今後に生かして、今年はちょっと、あの〜、いつもそれほどテンポの速い方ではないけれども、あの〜、またちょっとね、あの〜、一歩一歩の、この自分のステップを確認しながらね、進んで行きたいなと思ってます。
え〜、またね、あの、ファンクラブの人達は、「おいおいおい」って感じで、あの、「勘弁してよ」って感じかもしれませんが、あの〜、応援のほどをよろしくお願いしたいと、思います。


#8 エピローグ

え〜、最後に、これは、え〜、余談なんだけど、この間ある本でね、読んだ坂本竜馬の言葉っていうので、え〜っと、Whatever peaple may said about me, I understand I'm doing (英語が変だけどこういうように聞こえた^^; 「世の中の人は何とも言わば言え、我が為すことは我のみぞ知る」のことだよね^^)っていうのがあるのね。
で〜、まあどういう意味かっていうと、まあ、他人(ひと)は自分のことを、まあ言いたければ何とでも言えと、どうとでも解釈しろと。
え〜自分自身が1番何をやりたいのか、自分がよくわかっているんだっていうね、あの、他人(ひと)は関係ないんだっていう、自分自身でこう、やるべきことは自分がわかっているっていう意味の言葉がすごくね、あの〜、今自分の中でやっぱ響いているんだよね。
で、今回のSafe And Sound の中でもジェラルドがたくさんいいフレーズを書いてくれているけど、そのジェラルドのフレーズの中でも、え〜、If I say It's lost its meaning. If I can't find my way, It's over now. っていうね。
あのフレーズがすごく心理だと思うんで、あの〜、もしも自分自身で、その〜、自分のね、行くべき道を見失ったら、その時が自分の終わる時だっていう。まあ、そういうね、あの〜、ありがたい、すばらしいフレーズを胸に、え〜、これからもがんばっていきたいなと思います。